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​映画読書日記2026年〜

1月3日 「小早川家の秋」小津安二郎監督 司葉子 原節子 中村雁治郎

 今年初めの映画だから、小津監督の映画ははずれがないので、見ることにした。小津安二郎監督の全集にこの映画がなぜか入っていなくて、メルカリで購入。見てみたら、多分レンタルかなんかで見たことあるな。場面もお話も完全に見たことあった。結構最近見たなこりゃ。この頃若い頃見た映画は、筋を覚えてなかったりして初めてのように見れる。

 ともかく感想は、小津監督の映画の中では、自分の中ではあまり上位に入らないな。この映画1961年製作というから、カラーだし小津監督にとっても最晩年の映画といえる。確か「秋刀魚の秋」が遺作らしいから、その前ぐらいなのかな?この映画、松竹の小津監督が東宝に招かれて作った唯1の映画らしい。

 さて、このお話、小津監督の映画らしく家族をテーマにしたものだが、主に娘の結婚などをテーマにすることが多いが、ここでも年増のシングルマザーとなっている原節子と結婚適齢期の司葉子が縁談を勧められ、結局、二人ともそれを断る。女性の自立?を謳っているといえる。まあ、そんなこと現代では当たり前だが、当時としては新しい考えだったんだろう。その二人のやりとりが面白かった。

​ もう一つの大きなテーマが、小早川家の老人の扱い。大阪商店の元主人が、京都の元彼女のところへ足繁く通う。娘がそのことを父親に口煩く諭すところが面白かった。この父親役が中村雁治郎という人で、確か他の小津監督の映画にも出ていていい味を出していた。そうそう、この映画に森繁久弥が原節子の縁談相手として登場するのだが、きちんと型どおり撮ろうとする小津監督とアドリブ大好きな森繁は合わなかったようで、まあ、そこは納得いく。小津監督が森繁をうまく使っていると思った。

 

 

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1月5日 「女だけの都」ジャック・フェデー監督 フランソワーズ・ロゼー1935年仏

ジャック・フェデー監督のディートリヒ主演の「鎧なき騎士」と「外人部隊」も良かったので、これをメルカリで見つけ注文。見てみたが、それほどでもなかった。確かにフランソワーズロゼーと言う女優、貫禄もあり演技はなんだろう。確か外人部隊の宿の主人として出ていたと思うが。

1月8日 「乱」黒澤明監督 仲代達矢主演

この映画もメルカリで注文。黒澤監督の全集みたいなのに入ってなかったので。前にビデオで見ているはずだが、今回はじめて話の流れを把握できた。この物語「リア王」を下敷きにしているらしいが、そのお話を知らないし、だいぶ脚色もしているらしいから、この映画の話としてみれば良いわけだが。ともかく、戦国時代の家族同士の醜い争いがテーマ?本当に自分の信じるものには、裏切られ、逆に遠ざけようとした者には逆に救われるという人間関係のすれ違い?悲しいお話だった。ラストの鶴丸(目の不自由な姉を殺された)が城跡の石垣の先端でたたずむ絵は圧巻。さすが画家を目指していた黒澤監督の真骨頂と言えた。それから次男の嫁役の原田美枝子の楓の方の演技が光っていた。一文字家に恨みを持つこの女の執念がよく表現されていた。そしてピーター演じる狂阿弥がこの重苦しいお話に軽みを与え、殿に忠誠を演ずるキャラクターに親しみを感じた。もちろん、主演の去年亡くなった仲代達矢の狂気じみた演技は言うまでもない。

しかし、この映画、お城を建築しそれを燃やすという流れのため制作費26億?かかったらしく、いろんな世界的な映画賞を受賞しているが、結局興行成績は芳しくなかったようで、赤字だったらしい。良い映画だと思うが、残念。

1月12日「元禄忠臣蔵」1934年 溝口健二監督

小津監督と黒澤監督の映画はかなり見たので、当時彼らに並ぶ監督として評価されている?溝口監督の映画も見てみようと思った。昔、溝口監督の何か見ているがタイトルは忘れた。非常によくできているが、時代劇だし、暗い?印象があった。落ち着いているともいえるが、気持ちが落ち込んでいる時には見たくないなあと思っていた。

さて、この映画、かの忠臣蔵を描いたもの。何しろ長くて、前後編合わせて3時間半ぐらいあったのかな?それから、昔の映画のせいか、早口なせいか?言葉が聞き取れない。会話の言葉も難しい言葉が多いのかな?会話の半分ぐらいは理解できないままお話は進んで行った。大石倉之助を中心にお話は展開していくのだが、討ち入りのシーンは、奥方への報告の手紙で済ますなど面白いなあと思った。あまり活劇シーンは溝口映画には必要ないということか?また、この映画戦時中に作られていて、総務省の元作られたようで。戦意高揚という意義もあって、豊富な製作費がかけられていたということである。吉良邸の建物や城にいる女官などの衣装も煌びやかだった。討ち入りまでの話が中心だと思ってたが、意外と討ち入り後の話も結構あって、やはり討ち入りしたメンバーは切腹の刑なわけで、江戸時代に生まれなくて良かったな〜。

1月14日「祇園の姉妹」1936年 横溝健二監督 山田五十鈴

若き日の山田五十鈴が主演していて、芸者という仕事をしている若い女を見事に演じていた。虐げられた境遇から脱しようとする強い若い女を描いていた。当時にしては進んだ考えの映画だったんじゃないかな。意地悪な嫌な親父も出て来たりして、当時の現実の嫌な面を表していたのかな?結局その芸者は、仕返しを受け病院で泣き崩れる場面で終わっていて、後味の悪い映画だった。

1月17日「昭和を生きて来た」山田太一エッセー集

​山田太一の原作のドラマは、面白かった。このエッセー集も面白い。毎晩寝掛けに読んでいる。この前読んだエッセーには、戦後すぐ、まだ物がなく学生だった筆者が姉と米を買いに鉄道で群馬まで行くのだが、帰り道に警察の取り調べを受ける話だ。そこで、二人を逃してくれる警官がいたことの驚きと感謝が述べられていて、本当に良いことは「はみ出さなきゃいけない」「決まり切ったことをする」ことが正しいわけではないということに気付かされたというようなことが書かれていて、考えさせられた。

1月ラジオで「心の瞳」を初めて聴いた。素晴らしい曲で、これは練習しようと思い、

1月の夕焼け祭りとカーティスのオープンマイクで演奏することに決めた。

この曲、調べてみると坂本九さんが亡くなった1985年にシングルとして発売された

なんとB面の曲。遺作ともいうべき曲のようだ。

この曲を録音した日、九ちゃんは家に帰って来て、奥さんに僕らのことを歌ったような歌だよと言って奥さんに聴かせたということだ。

その後、九ちゃんの家族が歌い継ぎ、この曲を聞いた教員が合唱曲として使ったり、2017年に九ちゃんの家族の声と共に再録音され発売されているようだ。

聴きながら涙が溢れて来た。

​1月18日「祇園囃子」1953年 溝口健二監督 若尾文子 木暮実千代

今月は溝口月間みたいになってしまったが、これは現代に近いお話。やはり祇園の舞妓

さんのお話だが、虐げられた舞妓さんの生活が悲しく描かれていら。若き日の、若尾文子が若い舞妓役をやっていて、お金持ちのお客に言い寄られて刃向かうシーンは衝撃的。

ただやはり芸妓の身分は低いものだったという結末だった。

​1月21日 「山椒大夫」溝口健二監督 田中絹代 香川京子

​このお話、森鴎外の原作らしいが、杏樹と厨子王というタイトルだった?ともかく悲しいお話で、山椒大夫という悪人のために奴隷のように働かされる人々が、残忍な仕打ちを受けつつ生活する姿は、目を手で覆いたくなるほどだ。その仕打ちを受ける杏樹の夜雨を若き日の香川京子が熱演している。田中絹代はその二人の母親役だが、最後佐渡に流され、目も不自由のなり、海辺で貧しい暮らしをしている。母を探してようやくその浜辺にたどり着いた息子(厨子王)との出会いがラストシーンでやはり悲しい。

1月23日 「西鶴一代女」溝口健二監督 田中絹代

またも悲しい女の一代期。貧しい家庭に生まれたばかりに、次々と悲惨な運命を辿っていく。将軍の妾として世継ぎを生むが、城からすぐに追い出され、里に戻ると借金の肩代わりに島原に売られ、その後、真面目な堅気の商人の妻となるが、その夫も不慮の死(強盗に凝らされる)を遂げる。晩年も尼になろうとするが、やはり生活のために身を削るような商売に身を投ずるという悲劇の連続。まあ、あんな時代に生まれなくてよかったと思う。

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」

トモが今年の大河は見るぞ!というので自分も見ることにした。豊臣秀吉の弟が主人公という今まであまり取り上げられなかった人物といえるが、いろんな資料により、その存在は秀吉の天下統一に大きな影響を与えていたとのことだ。今月4回までみたが、なかなか面白い。農民から出たというだけあって、普通の武士の考えからの発想ではないのが面白い。もう桶狭間の戦いまで行ってしまったが、これからどうやって天下をとっていくのか楽しみだ。

1月の読書〜今描いている時代劇の漫画の参考になればと、山本周五郎の短編を何編か読んでみた。さすが山本周五郎!ハズレがない。いろんなドラマになっていることだろう。黒澤映画「赤ひげ」も彼の原作らしい。

 自分の読んだ「3年後」という話は、ある大工が江戸の許婚を残して上方に修行に出る。3年後江戸へ戻ると、その大工の弟子とも言える男がその許婚と一緒になっているという噂が。それを確かめに行った日が深川の大水の日と重なり、許婚と弟子との再会と大水の状況描写が重なり、劇的な場面として描かれていた。その弟子はその大工を裏切ったのではなかったという人情味ある落ちなわけだが、やはり見事な筋立てで、自分もこんなお話にしたかったなあと思ったが、どうだろう?

「おくのほそ道」松尾芭蕉を読み出す。

​1月29日 「女相続人」ウイリアムワイラー監督 

何しろ溝口健二監督の映画ばかり見て、悲しい気分は辛いなあと、ローマの休日のワイラー監督なら気分も晴れるのではないかと、この映画を選んだのだが、、なんとこの映画もハッピーエンドではなかった。色々と考えさせられる映画だった。

​さすがワイラー監督だけあって、人物描写や特に主人公の女優さんの最初の頃と後半の人が変わったような演技は圧巻とも言える。ただ、このお話、設定が女相続人ということのせいか、話の展開としては、ああならざるおえないのだろうか?自分としては、あの二人の結婚を許せないあの父親がとにかく悪い。彼氏は財産目的とはどうしても思えない。駆け落ちしようとしたあの日、こなかった彼は、彼女を思えばこそ去っていったと考えれば彼に否はない。どうして何年か後に彼が戻って来たときに、彼女はそれを許せないのか?自分には疑問だった。彼女は父親の仕打ちのために人間的にひん曲がってしまったのだろうか?そうとしか自分には納得のいかない結末だった。

 

 

 

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